Otonowa
Masaru Koga Saki Kono Akira Tana Art Hirahara Ken Okada

アート・ヒラハラ

ピアノ

Art Hirahara
Photo by Salvatore Corso

 サンフランシスコ・ベイエリア出身のジャズピアニスト、作曲家。父親が日系2世、母親が日本人の「日系2.5世」。2003年にニューヨークに移住し、現在はブルックリン在住。スタンダード・ジャズからプログレッシブジャズ、フリージャズまで様々なスタイルを演奏する。ワールドクラスのミュージシャン達の集積するニューヨークで数多くの演奏経験を積むことで、伝統的か前衛的音楽かに関わらず貫くことのできる自分のスタイルを確立した。

 4歳で音楽を学び始め、ピアノをスー・シャノン氏に師事するが、彼女のユニークな指導方針によりかなり早い時期から即興演奏と作曲を学んだことでジャズの素地を固める。オベリン大学に進学し、電子音楽とコンピュータ音楽を専攻する傍らでジャズピアノをニール・クリーク氏に師事。その後カリフォルニア芸術大学に編入し、デビッド・ロイトスタイン、チャーリー・ヘイデン、ワダダ・レオ・スミスに師事するが、この時に西アフリカのドラム、バリのガムラン、北インドのタブラなどのワールドミュージックに目覚める。ニューヨークに移ってからも、バンフ・ワークショップや、デイヴ・ダグラスによるクリエイティブ・ミュージック・プログラムを通じて音楽を学び続ける。

 これまでにステイシー・ケント、アキラ・タナ、ルーファス・リード、ドン・ブレイデン、ロザンナ・ヴィトロ、デイヴ・ダグラス、ヴィンセント・ヘリング、ヴィクター・ルイス、トラヴィス・サリヴァンズ・ビョーケストラ、ジム・ブラック、ジェニー・シャインマン、グレッグ・コーエン、フレッド・ホー、ショーン・ノーウェル、ロイヤル・ハーティガン、ハフェズ・モディルザデーなどのアーティスト達と共演。ヨーロッパ、アジア、南米、中東などの世界各地で演奏経験があり、特に米国国内は演奏回数が極めて多い。ニューヨークではこれまでバードランド、スモールズ、ジャズ・スタンダード、55バーなどの名門クラブで演奏。

 演奏家であるだけでなく、教育者でもある。米国国内だけでなく海外でも教鞭を執ったことがある。これまでブルックリン/クイーンズ音楽院で教えたほか、現在はニューヨーク・ジャズ・イニシアティブ(小中学校でのジャズ教育を実現しようとする団体)にも参加している。彼の演奏スタイルや作曲作品は、今までの音楽研究や過去共演してきた様々なアーティスト達から受けた影響が融合したものである。常に挑戦と新天地を求め、近年ではオフ・ブロードウェイ・ミュージカルの音楽監督も務めた。

 デビューCD「Edge of This Earth」は2000年8月に自主制作盤として発表された。2011年にもポジ・トーン・レコードから「Noble Path」(ベース:脇義典、ドラム:ダン・アラン)を発表。自作曲を中心に、4曲のカバー曲も収めた。